おがくずを染料で先染めして成形されるカラーMDFは、木材が持つ高い加工性とあたたかみに加え、多様な質感や落ち着きのある色合いを内包している。日本では未だ馴染みが浅い素材でありながらも、意匠と機能の両面から幅広い活用の余地を期待されつつある。
そうした文脈をふまえて、カラーMDFを販売する東合板と株式会社博展に属するクリエイティブチームが協業。「CMF(Color, Material, Finish)を起点に広がる空間の構築」をテーマにこの素材への新たな向き合い方を探るプロジェクトを発足した。
本展示では、カラーMDFを用いて床・壁・天井から什器・スツールに至るまでをひとつづきに捉えた空間を設計。空間とプロダクトのデザインプロセスが交差する点から素材の性質を多角的に観察し、その可能性をかたちにおこすことでマテリアルにおける選択肢の拡張を提案する。