乃村工藝社は、
「一人ひとりの『クリエイティビティ』を起点に、空間のあらゆる可能性を切り拓く」というビジョンのもと、
人々の心を豊かにする空間づくりに取り組んでいます。
日常の中で触れている空間やプロダクトのものづくりに、
どれほどの時間や技術、労力が費やされているか、
誰が作っているのかという“裏側”に思いを巡らせたことはあるでしょうか。
私たちは、日々空間づくりと携わる中で、ひとつの仮設を立てました。
それは、
「もし空間づくりの裏側を見ることができたら、
モノや空間への思い入れがさらに深まるのではないか」
というものです。
例えば、試作品の断片や失敗のあと、長年使い込まれた道具など
「工場や現場で生まれる欠片(かけら)」を通して、
その完成品の背後にある数えきれないほどの試行錯誤や判断、工夫の積み重ねを感じ取ることができます。
作り手の存在やモノに込められた想いを知ることで、理解や大切にする気持ちもより広がっていきます。
このプロジェクトは、モノそのものの価値や意匠を問うのではなく、
「選ぶ基準」や「見方」に少しだけ変化をもたらすきっかけをつくる、
サステナブルな社会に向けた実験的な取り組みです。