それは一見ただの散水ホースですが、内部に樹脂を流し込み硬化させたものです。ホースの弾力と重力の釣り合いが偶然に生み出す何気ない曲線を、カメラが一瞬を切り取るように固定化しています。そこには、偶然と必然、一瞬と永遠、一点物と量産品、重力と反重力、機能と装飾、創造と模範、日常と芸術といった一見相反する概念が同時に現れます。こうした曲線をNIESSINGのジュエリーが展示される空間にそっと紛れ込ませることで、バウハウスの思想から大きな影響を受けたNIESSINGのデザインをあらためて見つめ直し、その理解を深めるきっかけを作れればと考えています。