ものを輸送する際、対象物の保護を目的に行われる梱包作業。手紙サイズから大型の精密機器まで保護の仕様は実に様々です。破損防止や天地の設定をはもちろんのこと、防水、冷蔵、スピードの上限、それが美術品であるならば採寸による適切なクレート制作を行うことも珍しくありません。
海外輸送ともなると、距離や経路を加味したより厳重な梱包作業が必要になるのですが、日本は極東の島国という立地上、他国に比べて輸送コスト高はどうしても避けられません。そのため輸送費削減に適した合理的解決(軽量化・小型化・組立構造)と審美的価値の両立を歴史的に実践してきたわけですが、ユニークピースである美術品においてはそう簡単な話でもないのです。
本展project: paiking listは、立地的な宿命を背負った私達の「送り方」を起点に、輸送システム自体をものづくりのプロセスとして内包できないかを検証していきます。