2024年11月に入籍したふたりの人生の交差から生まれた展示です。
現代ではSNSやマッチングアプリによって出会いの選択肢がかつてないほど広がる一方、つながりの危うさや孤独感も増しています。知らぬ間に、世間が描く規格化された人生に沿うために窮屈さを抱えてしまう人も少なくありません。
そこで私たちは、形式化した私的な結婚式の枠を超え、公に開かれた「契り」として展示する新しい式のかたちを模索しました。
本展のアイキャッチとなるドレスは、発酵素材と新素材セルロースナノファイバーという二面性を持つナタデココで制作。見えない微生物の作用で生まれるその形は、人と人が関わり合い、再構築される関係のあり方を象徴します。
デザインとアート、科学と人文がゆるやかに交わる空間で、来場者ひとりひとりが自分自身や誰かとの関係を見つめ、相互作用しながら、新たな祝福の形をそっと見出すきっかけとなれば幸いです。