このプロジェクトは和歌山県の小さな里山で土砂崩れによって切り倒された檜を再構成し、オブジェとして第二の生を与えるという試みです。作者が拠点を置く集落周辺には多くの檜林が存在していますが、高齢化や人口減少、産業構造的な問題によって林を維持管理し材として活用することが困難になっています。土砂崩れが発生した檜林は、約60年前に植樹されかつては丁寧に管理されていましたが、土砂崩れという悲しい最後を迎えてしまいました。作者はこの切り倒された檜丸太を地元の方に譲り受けたことから材のリサーチを開始し、基本的な要素である点・線・面に分解して材を様々な方向から観察しました。自明のことですが木は年輪を重ねながら成長するため切断する方向によって異なる表情を表します。それぞれの要素に分解することで表出したテクスチャーを原寸大でプリントし平面として定着した後、点・線・面の要素を組み合わせることで再び量感を得たオブジェがこのシリーズを形成しています。
DESIGNTIDE TOKYO Main Exhibition
DESIGNTIDE TOKYOのメインとなるエキシビションプログラムです。 ディレクター陣の審査により選抜された国内外の公募作品と、各ディレクター推薦のクリエイター、学生展選抜者による合同作品展です。