本コレクションは、現代デザインにおける構造・素材・開放性の関係性を探求するものである。「Engineered Transparency(構造化された透明性)」の概念のもと、構造システムが機能と並行する美的言語となり得ることを提示している。すべてのジョイント、ボルト、機械的要素は意図的に露出されており、その組立過程に潜む論理とプロセスを明らかにする。主要素材であるステンレスは、その精度、反射性、耐久性が活かされており、構造的基盤であると同時に、工業デザインの理性的な美を表現する媒体として機能する。それぞれの接合部の開放性は、テーブル面や座面の滑らかさと対比され、技術的複雑性と形式的単純性のバランスを生み出している。
本作は、技術と表現、製造と感性の対話としてデザインを位置付ける。単なる実用的なオブジェクトではなく、素材の誠実さとデザインの完全性を研究する試みであり、強度と美がどのように同一の原理から立ち上がるかを示す。最終的に、デザインにおける透明性とは、単なる視覚的開放性ではなく、構造とプロセスを美の一部として積極的に示す姿勢であると再考を促している。
DESIGNTIDE TOKYO Main Exhibition
DESIGNTIDE TOKYOのメインとなるエキシビションプログラムです。 ディレクター陣の審査により選抜された国内外の公募作品と、各ディレクター推薦のクリエイター、学生展選抜者による合同作品展です。