平坦な形状のテキスタイルには表側と裏側が存在し、必然的に使い方に制約が生まれます。もしもテキスタイルに裏表がなければ使い方もマインドも自由になり、色々なことから開放されるのではないかと考え、2018 年頃から取り組んでいる企画です。プリントテキスタイルでは染料が生地に浸透し、掠れた色面として裏側に現れます。通常はネガティブな「掠れ」を魅力的な表情として生かし、裏側からもプリントを施し、掠れた色面とベタ面を共存させる事で「表裏のないテキスタイル」が生まれます。
今回エントリーする新作は色や柄とは何か?という問いを立てました。モダニズムが台頭してシンプルなものが主流となっている現代において、装飾とは何か?豊かさとは何か?改めて色や柄の意味を探っていきます。無地を表と裏で分割し、無地として存在していたものが表と裏に分かれることによって柄が生まれます。さらにそこで生まれた柄を組み合わせ、装飾性の強い柄を生み出すことを試みます。ニュートラルな環境をベースにして立場、考え方、様々な関係性が交錯して物事が進行していくように、様々な柄が生まれていく様を提示します。
DESIGNTIDE TOKYO Main Exhibition
DESIGNTIDE TOKYOのメインとなるエキシビションプログラムです。
ディレクター陣の審査により選抜された国内外の公募作品と、各ディレクター推薦のクリエイター、学生展選抜者による合同作品展です。