Replica ── 継ぐ、という問い
静岡市でかつて作られていた「静岡だるま」は、張子の技術と土地の信仰、職人の手仕事が融合して生まれた、地域の記憶を宿す存在だった。現在は一軒のみが継承しており、薄れゆくその「かたち」を、プロダクトデザインの視点から再構築する。
胡粉仕上げの原型を3Dスキャンし、県産の桧をNC切削した木地に加飾を施すことで、伝統と現代技術を重ねる。林業資源の活用と工芸の再解釈を通じて、手と機械、過去と未来、個人と地域が交わる「継承」のひとつの姿を提示する。これは単なる再現やだるまの展示だけでなく、“継承を自らの手で担う”ことへの応答であり、そのプロセス自体を開かれた実践として示す試みである。
DESIGNTIDE TOKYO Main Exhibition
DESIGNTIDE TOKYOのメインとなるエキシビションプログラムです。 ディレクター陣の審査により選抜された国内外の公募作品と、各ディレクター推薦のクリエイター、学生展選抜者による合同作品展です。