私たちは今、絶え間なく更新される情報の中で、一秒たりとも無駄にしたくない「タイパ」の時代を生きています。効率的であることが評価される一方で、ようやく確保したわずかな余白でさえも、SNSや動画、ゲームなどの消費に充ててしまう。それは私たちが本当に望む時間の使い方と言えるでしょうか。
この作品は、そんな情報過多の現代において見えづらくなった「時間の感覚」と「人とのつながり」を再考するための試みです。
複数の三角形で構成された壁面装飾は、まるで木漏れ日やきらめく水面のように角度の変化によって光を反射し、ゆるやかにその表情を変えていくことで、数字だけに頼らずとも時間の流れを感じさせてくれます。
さらにこの構造は、家族へのメッセージを残す媒体としても機能します。ふとした言葉や気持ち、伝言などを「置手紙」のように残しておくことで、お互いの存在をさりげなく確かめ合うことができます。
効率を求めすぎて生き急ぎがちな現代において、時間のゆらぎと人のぬくもりを取り戻すことを目指しました。
DESIGNTIDE TOKYO Main Exhibition
DESIGNTIDE TOKYOのメインとなるエキシビションプログラムです。 ディレクター陣の審査により選抜された国内外の公募作品と、各ディレクター推薦のクリエイター、学生展選抜者による合同作品展です。