平井 大心 Taishin Hirai 東京造形大学 (デザイン研究領域 / 大学院)
[かみのたんぽぽ]
穴の空いた型にパルプモールドを行うと、液中の繊維の多くは穴からもれていき、わずかに残った繊維がほどける手前で絡み合い、かたちをつくる。そうして生まれるのは、たんぽぽの綿毛のように繊細ではかない質感をもつ、やわらかな存在である。
素材には古着の木綿を使った。かつて人の身を包んでいた衣服が、姿を変え、再びこの世界に現れる。その一本一本の繊維には、日常の記憶や時間の痕跡が、かすかに滲むように宿っている。それらは人工物と自然物との中間のような佇まいをまとっている。
推薦者:渡部千春, 長岡勉
Class of 2025 大学の教育者が推薦人となり、選抜された学生による学生展を行います。展示後の投票によって選ばれた優秀者はそのままメイン展示にも参加。エキシビション出展デザイナーと共に作品を展示する機会を得ます。