本来、樹木は大地に根を下ろし、空にそびえる存在であり、 その姿には人智の及ばぬ強大さ、畏敬の念を呼び起こす力があります。
木材を水平・垂直に切り揃える「製材」という知恵は、 そうした自然のスケールを人間の手中に収め、制御するためのプロセスです。 しかしその過程で、樹木が持っていた空間的・時間的な広がりは損なわれ、 もはやその素材から大地や空、壮大な世界との接続は感じられません。
このプロジェクトは「Plytree」と題し、整える(≒製材)プロセスを介することなく、 森の中にそびえる樹木の姿を残したまま、成型合板の工程を用い、人にとっての機能を与えます。 樹木本来のいびつな姿と、プロダクトとしての機能を同時に立ち上げることで 効率や、知恵や、関与により分断された人と世界とが、本来は地続きであることを再認識させます。 それは東洋の自然観から編まれる、もう一つのデザインです。
DESIGNTIDE TOKYO Main Exhibition
DESIGNTIDE TOKYOのメインとなるエキシビションプログラムです。 ディレクター陣の審査により選抜された国内外の公募作品と、各ディレクター推薦のクリエイター、学生展選抜者による合同作品展です。