存在と消失、光と密度──ジャン=バティスト・アノタンは、視覚と感覚のあいだに潜むわずかな緊張を作品として立ち上げる。《Clarity Collection》では、プレキシガラスのパネルが組み合わされ、動作に応じて家具が現れたり消えたりするような視覚体験を生む。アームチェア、テーブル、ミラー、ランプは光を分散させるプリズムとなり、透明性と反射が交錯する空間を穏やかに揺らす。
同じく精度と純度の追求は、アルミニウムの塊から削り出された《PP-1》ターンテーブルにも見られる。機構を極限までそぎ落としながら、音楽を中心に据える「聴く」という行為を儀式として再構築し、彫刻的存在として感情に触れる。デザインを機能の枠から解き放ち、光、物質、リズムによって語られる体験へ──本作はその可能性を静かに示唆する。
DESIGNTIDE TOKYO Main Exhibition
DESIGNTIDE TOKYOのメインとなるエキシビションプログラムです。
ディレクター陣の審査により選抜された国内外の公募作品と、各ディレクター推薦のクリエイター、学生展選抜者による合同作品展です。